上場株式等の配当等所得や譲渡所得などの課税方式の統一
上場株式等の配当等所得や譲渡所得等については、所得税と市・県民税において異なる課税方式の選択が可能とされてきましたが、金融所得課税は所得税と市・県民税が一体として設計されてきたことなどを踏まえ、公平性の観点から、令和6年度の市・県民税(令和5年分の所得税の確定申告)より、課税方式を所得税と一致させる改正がなされました。
この改正により、所得税と市・県民税で異なる課税方式を選択することができなくなりました。
【 課税方式の対照表 】
申告年度/課税方式 | 所得税の課税方式 |
住民税の課税方式 |
令和5年度以前(令和4年分以前) |
以下の3つより選択 ・申告不要(申告しない) ・総合課税 ・申告分離課税 |
以下の3つより選択 ・申告不要 ・総合課税 ・申告分離課税 |
令和6年度以降(令和5年分以降) |
以下の3つより選択 ・申告不要(申告しない) ・総合課税 ・申告分離課税 |
所得税と同じ課税方式で算定 |
※注意※
配当所得や譲渡所得を申告すると、社会保険料や介護保険料等に影響を与えることがございます。
国外居住親族に係る扶養控除の見直し
年齢30歳以上70歳未満の国外居住親族を扶養控除等の適用対象とする場合は、次のいずれかに該当する者に限られることとされました。
1.留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者
2.障害者
3.扶養控除等を申告する納税義務者からその年において生活費または教育費に充てるための支払を38万円以上受けて いる者
森林環境税の創設
パリ協定の枠組みの下における、わが国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止を図るため、森林整備等に必要な地方財政を安定的に確保する観点から、平成31年3月に「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が成立し、「森林環境税」(令和6年度より課税)および「森林環境譲与税」(令和元年度より譲与開始)が創設されました。
令和6年度より市・県民税の均等割の枠組みを用いて、国税として1人年額1,000円を市区町村が賦課徴収することとなり、その税収は、森林環境譲与税として森林整備や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発の費用に充てるため、都道府県・ 市区町村へ譲与されます。
令和6年度以降の市・県民税均等割及び森林環境税について
市・県民税の均等割は、東日本大震災復興基本法に基づき、平成26年度からの10年間にわたり、臨時的に年額1,000円が引き上げられ、賦課徴収されておりました。この臨時的措置が終了し、令和6年度から新たに森林環境税が導入されることとなります。
令和5年度以前 |
令和6年度以降 |
||
国税 | 森林環境税 | − | 1,000円 |
県民税 |
個人住民税均等割 |
2,500円 | 2,000円 |
市民税 | 3,500円 | 3,000円 | |
計 | 6,000円 | 6,000円 |
その他
低未利用土地等を譲渡した場合の特別控除について
以下の改正がなされました。
・適用期限を3年延長し、令和7年12月31日までとする
・市街化区域等の一定区域内にある、低未利用土地の譲渡価格を800万円以下とする。
・譲渡後の利用用途から、コインパーキングを除外する。