-国登録有形文化財- 建造物
□ 奥順株式会社
所在地 |
大字結城字大町 |
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年代 |
明治~大正 |
員数 |
5棟 |
奥澤家は代々紬問屋を営み、5代目に分家して店舗を構えたのが現在の奥順といわれます。大町の通りに面して建つ建造物は、保存状態がよく、年代の古さを感じさせません。
○奥順見世蔵 1棟(土蔵造2階建、瓦葺) 登録年月日:平成17年2月9日
屋根は切妻造り、開口3間半、奥行2間半の前面に半間の下屋庇が張り出しています。正面外観は、1階を袖壁なしの前面開放としてガラス戸と格子戸を建て、2階は中央に横長窓(引戸)を開いて半間の戸袋を設けています。軒は出桁造で三重蛇腹、棟は箱棟で両端に影盛を付けるなど、典型的な関東の見世蔵形式を示しています。創建は、明治19(1886)年3月25日(上棟)であることが屋根裏の小屋梁に取り付けられている棟札によって知ることが出来ます。
○奥順店舗 1棟(木造2階一部平屋建、瓦葺) 登録年月日:平成17年2月9日
見世蔵に遅れて大正初期に建設された木造店舗は、1階正面は西側に半間の戸袋を残して前面を開放し、2階は両側に半間の戸袋を設け、中央はガラス戸となっています。また、内部は1階が店舗、2階は12畳の座敷で、1階店舗の奥には旧住居部分が続いています。
○奥順離れ 1棟(木造平屋建・寄棟、瓦葺) 登録年月日:平成17年2月9日
離れは、見世蔵と同じ明治19(1886)年に敷地内に建てられました。本格的な和装建築で、保存状態もよく、現在も伝統的な紬問屋の施設として利用されています。
○奥順土蔵 1棟(土蔵造2階建、瓦葺) 登録年月日:平成17年2月9日
同じ敷地の奥に、明治37(1904)年に立てられた切妻・平入りの土蔵です。保存状態もよく、現在も伝統的な紬問屋の施設として利用されています。
○奥順壱の蔵 1棟(木造2階建、瓦葺) 登録年月日:平成18年10月18日
建物の造りから明治期に建設されたものと考えられています。現在は喫茶店として利用されています。
切妻・平入りの2階建・桟瓦葺で、桁行4間・梁間3間半の前面に4尺弱の下屋庇を設けています。正面外観は、近年までに特に一階部分が大きく改変されていましたが、現在は両端に半間の戸袋を残した前面開放に復元されています。
内部は、喫茶室の用途に合わせて床と壁がほぼ全面的に改装されていますが、1階奥の箱階段や2階主室の座敷飾りが当初の面影を留めています。