RSウイルス感染症とは
- RSウイルス感染症(respiratory syncytial virus infection)は、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。
- RSウイルスは日本を含め世界中に分布しています。
- 何度も感染と発病を繰り返しますが、生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされています。
- 例年は子どもを中心に、夏から増加傾向となり秋にピークがみられていましたが、2021年以降は、春から初夏に継続的に増加し、夏にピークがみられているため、今後の発生動向について、さらなる注意が必要です。
《現在の発生状況》
感染経路
- 主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。
- 飛沫感染:感染者が咳やくしゃみ、会話をするとウイルスを含んだ飛沫(しぶき)がまわりに飛び散り、他の人がその飛沫を口や鼻から吸い込むことで感染します。
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接触感染:感染者が咳やくしゃみを抑えた手で周りの物(ドアノブ、手すり、スイッチ、机、椅子、おもちゃ、コップ等)に触れることで、物にウイルスがつきます。他の人がそれに触れることでウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ることで粘膜から感染します。
症状
- 症状としては、軽い風邪のような症状から重い肺炎まで様々です。
- 潜伏期間は2日から8日、通常は4日から6日です。
- 多くは軽症で、症状が数日続いた後自然に回復しますが、低出生体重児、心疾患や肺疾患、免疫不全のある方、初めて感染する乳幼児、特に生後6か月以内の乳児は、重症化のリスクが高いとされています。
- 高齢者や成人においても、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心疾患などの慢性の基礎疾患がある人、免疫機能が低下している人がRSウイルスに感染した場合は、肺炎などを引き起こし重症化する場合があります。
RSウイルス感染症にかかったときは
治療
- 特別な治療法はなく、発熱には解熱薬を用いるなど、症状を和らげる対症療法が行われます。重症化した場合には、点滴での水分補給や呼吸困難の程度に応じて酸素投与を行うこともあります。
- 療養するときは、早い回復につながるよう、安静にして過ごしましょう。また、脱水症状に注意し、水分をこまめにとりましょう。
- 食事や水分がとれないときや呼吸が苦しいときは、医療機関への受診をご検討ください。
感染予防のポイント
- 飛沫感染対策:鼻汁や咳などの呼吸器症状がある場合は、周囲への感染を防ぐためにマスクを着用するなど咳エチケットが大切です。
- 飛沫感染対策:子どもたちが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめにアルコールや塩素系の消毒剤などで消毒しましょう。流水・石けんによる手洗いやアルコール製剤による手指消毒をすることでウイルスの付着を減少させることができます。また、むやみに目や鼻、口を触らない、感染している方とのタオルや食器などの共有をしないことも有効です。
予防接種(※結城市では、RSウイルスワクチン接種費用の助成は行っておりません)
- 60歳以上の方を対象としたワクチンや、生まれてくる子どものRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防を目的に妊娠している方を対象としたワクチンがあります。
- 接種を希望される場合は、直接医療機関にお問い合わせください。
- なお、RSウイルス感染症のワクチンは法令に定められた定期予防接種ではないため、接種を受ける場合は任意接種となり、接種費用は全額自己負担となります。
受診の判断に迷ったときは(茨城県救急電話相談)
- 急なけがや病気ですぐに受診したほうがよいのか、様子を見ても大丈夫なのか不安なときにご相談ください。
おとなの救急電話相談(15歳以上) #7119 または TEL 050-5445-2856 24時間365日
子どもの救急電話相談(15歳未満) #8000 または TEL 050-5445-2856 24時間365日