ゆうきつむぎ(ひらおり)
国指定文化財 無形文化財 No.1
結城紬の原型といわれているのが、「あしぎぬ」と呼ばれる太い生糸で織った絹粗布で、奈良時代から献上品として朝廷に納められていました。その後、「常陸紬」と呼ばれるようになり、鎌倉時代には、見た目が質素なことや丈夫なことが関東の武士たちにも好まれ、その生産も結城地方が中心となりました。室町時代のころには、「常陸紬」は室町幕府や関東管領に献上され、全国的に著名な物産となりました。
「結城紬」と呼ばれるようになった時期は定かではありませんが、鎌倉時代からの名家である結城家の本拠地である結城の地名を冠して、次第に「結城紬」と呼ばれるようになったのではないかと考えられています。史料で「結城紬」が見られるのは江戸時代初頭に編纂された『毛吹草』が初出です。
江戸時代には、従来の技術にさらに改良が加えられ、当時の百科事典と言われる『和漢三才図会』には最上品の紬として紹介されています。
結城紬には平織と縮織があり、平織は真綿から指先でつむぎだした撚(よ)りのない糸をそのまま縦糸と横糸に使用する織物で、現在では紬の生産量の大部分を占めています。
重要無形文化財の指定要件として
(1) 『糸つむぎ』
(2) 『絣くびり』
(3) 『地機織り』
の三つの工程が指定され、縦糸・横糸とも手つむぎ糸を使用し、絣はてくびりによること、織りはいざり織機(地機)の使用が義務づけられています。
指定年月日 |
昭和31年4月24日 |
所在地 |
結城市中央町、近隣市町村 |
所有者 |
本場結城紬技術保持会 |