重要無形文化財伝承事業ってなに?
伝承事業とは,重要無形文化財として指定されている結城紬の制作技術を守り伝えていくため,本場結城紬技術保持会が国から補助を受けて実施している事業のことです。
伝承事業の中では,後継者育成として研修生や伝承者を育成・指導しているほかに,重要無形文化財の技術保持者である保持会員もさらなる技術向上を目指した事業を実施しています。
毎年,5月下旬から3月まで,伝統工芸コミュニティセンターにて研修生の養成事業をおこなっており,実際に糸をつむいでいるところや,地機で反物を織っている姿が見られます。

研修風景

作品発表会
保持者と伝承者ってなに?
保持者
保持者とは,重要無形文化財として指定された結城紬を織ることのできる技術を持った人を指します。「重要無形文化財結城紬」として求められる条件が3つあり,
- 糸つむぎ(使用する糸が,すべて真綿から手でつむいだものとし,強撚糸を使用しないこと)
- 絣くくり(絣模様をつける場合は,手くびりによること)
- 地機織り(地機,いざり機を使って織ること)
と,定められています。
この3つの技術について,20年以上技を磨いてきた方だけが保持者として認められます。
伝承者
伝承者は,保持者と認められる前の,ある程度の技術を持った方のことです。この伝承者が保持者から技術を受け継ぎ,将来は保持者として技術の伝承を務めていくことになります。