市指定文化財 建造物(詳細)

市指定文化財 有形文化財の部 -建造物-

1,2 石幢

石幢(華蔵寺)

石幢(常光寺)

 市内には、石燈籠に似た石幢が、華蔵寺と常光寺にあります。石幢の起源は古く、経幢(石幢)の影を身に受けただけでも功徳があるという趣旨で、中国の唐・宋の時代に多く造られました。日本には鎌倉時代に伝わり、室町時代になると本来の陀羅尼経の信仰から離れ、地蔵信仰と石灯篭の技術が結びついて石灯篭の火袋にあたるがん部と呼ばれる六角柱の各面に六地蔵を彫刻したこのような形のものになりました。

 六地蔵とは、地蔵が六道をめぐって衆生を導くという信仰から生まれました。檀陀(地獄)・宝珠(餓鬼)・宝印(畜生)・持地(修羅)・除蓋障(人間)・日光(天上)など、その名称や形には諸説があり一定していませんが、六道に分身して救済を行うことから六地蔵とし、六体同じ地蔵ですが、それぞれ異なった名称が与えられ、持物も違っています。

年代

室町時代

数量

2基

指定年月日

昭和42年2月9日

所在地

結城市大字結城(塔の下)
大字結城(白銀町)

所有者

宗教法人華蔵寺
宗教法人常光寺

3 宝篋印塔

宝篋印塔

 小塙の貴船神社境内にある宝篋印塔は、各部のつり合いがよく、優美であり、拝殿前の一対の石灯篭も元禄の年号が記してあります。

年代

江戸時代中期

数量

1基

指定年月日

昭和43年9月10日

所在地

結城市大字結城(宮の下)

所有者

宮の下

4 上山川諏訪神社本殿

上山川諏訪神社本殿

 平安時代、3年(940)藤原秀郷が平将門の乱に、戦勝を信州の諏訪明神に祈願し、平定することができたお礼に上山川諏訪神社を創建したと伝えられています。後には秀郷の子孫、小山、結城など諸氏に崇敬され、とりわけ結城氏の支流山川綾戸城主山川家歴代の鎮守として、また領民にも信仰されました。

 本殿は室町時代に制作され、高さ5.4メートルの木造神社流造です。屋根は銅版葺きで高床式、四隅に円柱が建てられ、正面と両側に回廊があります。正面は角木組みの急階段両側に急勾欄を設け、欄間に蛇腹、その下の蟇股または室町時代の草花が彫刻されています。また向拜の貫と同時代に製作されたとみられる木彫りの象頭が両端につけられ古代神社の遺風をみることができます。

 本殿は室町時代に再建したものを、江戸時代へ入り、元文2年(1737)に山川村芳賀崎の湯本菊右エ門が改修しました。

時代

室町時代(江戸時代改修)

数量

1棟

指定年月日

昭和49年12月27日

所在地

結城市大字上山川

所有者

宗教法人諏訪神社

5 孝顕寺三門

孝顕寺三門

 天女山永正禅林泰陽孝顕寺は曹洞宗の寺院で、永正12(1515)年、結城政朝(15代)が玉岡の地に建立しました。当初は永正寺といいましたが、16代政勝のときに、政朝の法名から孝顕寺と改称され、その後、17代晴朝が弁天島(立町)の地を寄進し、18代秀康によってそこに新たに現在の孝顕寺が建てられました。

 三門は、山門とも書かれ、一山の正門の意味で寺院正面に造られた楼門をいいます。三門と書くのは、迷いから開放されようとするものが通らねばならない空・無想・無作からなる三解脱門の略とされています。

 この三門の創建は享保16(1731)年といわれ、総欅入母屋造りで、上・下層部のあいだには高欄付きの周縁、その下には、結城家(巴)・松平家(桐)・水野家(おもだか)の紋が施されています。また、上層部には、三体の仏像(釈迦三尊像か)が安置されています。

年代

江戸時代

数量

1棟

指定年月日

昭和52年3月4日

所在地

結城市大字結城(立町)

所有者

宗教法人孝顕寺

6 称名寺御霊屋門

称名寺御霊屋門

 新居山高田院称名寺は、浄土真宗(一向宗)の寺院で、建保4(1216)年、結城初代朝光が、親鸞聖人の高弟新仏を開祖に念仏道場を創立したのが始まりとされています。

 御霊屋門は、初代朝光から4代時広までの墓所の入口の御霊屋の門であったあったものを本堂前の中門にしたためにこう呼ばれ、寺伝には、朝光公建長門と伝わります。四脚三斗組の山門で、屋根は切妻造の瓦葺です。柱間に扉を設け、頭貫・組物をおき、妻飾りは蟇股・木鼻を付け、四方頭貫の中央には、白像や鶴等の彫刻が施されるなど、簡素ながら優美な工法が見られます。

年代

室町時代

数量

1棟

指定年月日

昭和52年12月6日

所在地

結城市大字結城(浦町)

所有者

宗教法人称名寺

7 称名寺二条門

称名寺二条門

 称名寺にある二条門は、寛永3(1626)年に建造された総欅造りの平屋根瓦葺の品位ある門です。称名寺19世信慶の後を継いだ20世信覚は、二条左大臣橘金明の舎弟で、信覚が入寺した折、京都二条家より移築された山門と伝わるため、二条門と呼ばれています。

年代

江戸時代

数量

1棟

指定年月日

昭和52年12月6日

所在地

結城市大字結城(浦町)

所有者

宗教法人称名寺

8 乗国寺四脚門

 乗国寺四脚門

 四脚門は、胸札によれば、延宝7(1679)年の創建で、総欅瓦葺きの切妻造りです。棟は輪違葺き、獅子口は上部に「経の巻」5個の三つ巴紋瓦をのせています。天井回りに蛇腹支輪をめぐらし、木鼻は切り込みがあるだけの閑雅なものです。斗きょうは出組三ッ斗で、蟇股には草花の彫刻をはめており、室町または桃山時代の遺風を感じさせます。

年代

江戸時代

数量

1棟

指定年月日

昭和52年12月6日

所在地

結城市大字結城(小塙)

所有者

宗教法人乗国寺

9 乗国寺楼門

 乗国寺楼門

 楼門は、2階の擬宝珠(ぎぼし)の銘によると、正徳3(1713)年の完成とされています。入母屋造りの銅板葺きで、朱色のベンガラで塗られています。また、棟の両端に鬼板をつけ、二手先斗きょうで、蛇腹支輪をめぐらし格天井となっています。脚部は以前、木造の柱でしたが、明治35(1880)年の暴風雨で楼門が崩壊し、もっと頑丈な門を建てたいという願いから、大正13(1924)年に上層はそのまま組み立て再建し、脚部は現在のコンクリート製の竜宮造りになりました。

年代

江戸時代

数量

1棟

指定年月日

昭和52年12月6日

所在地

結城市大字結城(小塙)

所有者

宗教法人乗国寺

10 諏訪神社本殿

 諏訪神社本殿

 南茂呂諏訪神社の創建時期ははっきりとはわかっていませんが、室町時代の大永7(1527)年に信州本社より分社され、その後江戸時代の元文元(1736)年に下総国江川村北南茂呂の鎮座として正一位諏訪大明神の宣旨をたまわったと伝えられています。

 本殿は総欅の一間社流造で、こけら葺です。本殿全体に彫刻が施され、東西面は中国故事の「寒山拾得」「猩々」が、北面には「高砂」の図が彫られています。両袖にはボタン花、正面向拝柱右側には梅にうぐいす雄、左側には梅にうぐいす雌、正面本殿扉両側に鯉の滝登り、正面欄間には龍の彫刻がそれぞれ施されています。

年代

江戸時代

数量

1棟

指定年月日

昭和54年7月13日

所在地

結城市大字北南茂呂

所有者

宗教法人諏訪神社

11 小森大桑神社本殿

 小森大桑神社本殿

 大桑神社は、結城に養蚕を伝えたとされる安房の斎部(古代において朝廷に布織物などを献上専門職の人たち)の祖を祀った神社です。創建時期は不詳ですが、和銅4(712)年に建立したと伝わります。当初は、大水河原地内に建てられましたが、水害に遭い、文明11(1722)年に現在の地に再建されました。また、南北朝時代の1343年頃に、結城7代直朝が戦勝を祈願して定めた結城七社の一つに数えられています。

 本殿は一間半四方の流造で、当初は桧皮葺きでしたが、嘉永元(1848)年の修復で銅版葺きとなりました。平成3年に行われた修復工事の際に6点の棟札が見つかり、これまでに屋根の修復が5回行われたことや、本殿の三面に彫られている彫刻が小森村の彫物大工、増山藤八尉と舟藤氏甚平によって江戸時代前期に彫られたものであることなどが確認されました。

年代

江戸時代

数量

1棟

指定年月日

平成4年3月31日

所在地

結城市大字小森

所有者

大桑神社

12 中世五輪塔

 中世五輪塔

 五輪塔の時間的変化がよく表れる水・空輪は欠損していますが、軒厚で、やや反りのある四隅をかすかに斜めに切る火輪は室町期の作例の特徴がうかがえます。また、横幅に比して高さが少ない地輪は、より前の時代の特徴を遺しています。さらに、各輪に種子が薬研彫で刻まれています。

 所在地の北方に位置する中世武家屋敷跡に、かつて山川氏が館を構え結城下方を支配していた頃、館の周辺に歴代の菩堤を弔った際に祀られた供養塔の一部が今日まで残ったものと考えられています。

年代

中世

数量

火輪4基、地輪4基

指定年月日

平成7年6月12日

所在地

結城市大字上山川

所有者

宗教法人東持寺

13 安穏寺山門

 安穏寺山門

 三間一戸の楼門で、屋根は入母屋造、銅板葺ですが、銅板葺はおそらく後世のものであり、もとの葺材はわかっていません。建築年代は様式手法から18世紀後半と考えられます。外部にはほぼ全面に赤色の塗料が塗られ、「赤門」の名で親しまれています。

年代

江戸時代

数量

1棟

指定年月日

平成21年11月30日

所在地

結城市大字結城(鍛治町)

所有者

宗教法人安穏寺


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